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百済観音菩薩の憂い

2015.01.23.Fri.14:38
◆美の衝撃
高校時代に、修学旅行で法隆寺を訪れた時この仏像に出会った。
人生初、「美の衝撃」を受けた。
なんなんだろう この仏像に秘められた憂いは、一体何処からきているのだ。
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◆狂おしいほどに
飛鳥時代以降の仏像には、この様な「魔力」を感じない。
なぜだろう?
貴族が自分の為、若しくは、自分一門の繁栄の為、
プロの仏師に依頼して創った作品だからだろうか?
完成度が高いな、端正に作ってあるな、と思っても感動はない。
「入魂の衝撃」「秘められた美の衝撃」はない。
飛鳥時代の仏像だけが、私の心をかき乱す。
狂おしいほどに。
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◆滅びの美
「朝鮮の歴史」池明観著 明石書店
を読んでいたら、積年の疑問がユルユルと解けた。
動乱の続く朝鮮三国で、一番仏教が栄えた百済
文化の華も開いた。
~百済は、高句麗の攻撃にあって、次第に南下しながらその国土を縮小させ、さらに新羅からも押されるという運命にあった・・・・政治的・軍事的には敗北に敗北を重ね、悲しみに沈みながら、より情緒的・宗教的に仏教を深め、仏教芸術をもりたてていったことが、ある意味では、東アジア、とくに朝鮮と日本古代文明の花をさかせることになったのではないでしょうか。(抜粋・要約)
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◆入魂の芸術
~国家の運命が危険にさらされていく後期になるほど、芸術的に深みをましていく・・
百済人の芸術には、亡国の民の悲しみ、亡命人のつらさが入魂されている。(抜粋・要約)

百済観音は、法隆寺の立派なガラスケースに入っているより、
今はただ風が吹いているだけの草原のような故郷の廃墟こそ似合うのだ。
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◆廃墟の風を
栄華を誇るもの 華やかなものよりも滅んでしまったものに、強く惹かれてしまう。

栄華が過ぎ去り、今はただ風が吹いているだけの廃墟を、いつか一人歩こう。
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